The Economist(インテリジェンス・ユニット)が日本財団の支援を受けて“Social Innovation Index”というユニークな指標を作成しました。Indexというとちょっと分かりにくいかもしれませんが、世界45カ国を対象とした、ソーシャル・イノベーションの創出環境を評価しようとする試みです。このインデックスでは、ソーシャル・イノベーションの創出に適した環境を「政策的・制度的フレームワーク」、「資金調達環境」、「起業活動の発展レベル」そして「市民社会の成熟度」という4本柱で測定しています(これら4つへのウェイトづけがどのように行われているかは同レポートを確認ください)。総合スコア上位からアメリカ、イギリス、カナダと続いて日本は23位とのこと。社会的企業法をいち早く導入したりソウル特別区での取り組みがある韓国がこうした軸での評価が12位になるのはわかるにしても、ニュージーランドが6位にランクインするのはやや意外でした。「ソーシャル・イノベーション」という論者により定義が大きく異なる概念を、しかも45カ国にわたって、同一基準で測ることはなかなか難しいものがありますが、それでも、アフリキャピタリズムとソーシャル・イノベーションの関係性などは、こうした壮大な調査だからこそ見えてくるものです。今後、この国際比較は大学院講義などで取り上げたいと思っています。